2011年10月3日月曜日

REICH vol.1 MOVIE


Steve Reich: Different Trains  vn. 須原杏 齊藤彩/va.吉田篤貴/vc. 高城晶一/PA. 久田菜美 並川弥央


ディファレント・トレインズ(1988年)
 [Different Trains for string quartet and pre-recorded performance tape] 

1990年、クロノス・カルテットの録音によって
グラミー賞(最優秀現代音楽作品賞)を受賞したライヒの代表作であるだけでなく、
ただの反復で終わらないポスト・ミニマル・ミュージックの傑作。
(…にも関わらず、日本において実演を聴ける機会は稀にしかない。)


ライヒがまだ1歳だった頃、彼の両親は離婚した。
その後、母のいるLAと父のいるNYを列車で行き来する生活がはじまる。
幼いライヒにとって列車の旅はとても興奮するものだったようだ。

しかし列車で行き来していたのは第二次世界大戦中であり、
あとになって振り返ってみると、ユダヤ系であるライヒは
「別の列車 Different Trains」に乗っていたかもしれないと思ったという。

―いうまでもなく「Different Trains」とは、
アウシュヴィッツへと向かう列車のことだ―

ライヒはこうした思いを反映するため、
事前に録音された「弦楽器セクション」や「人びとの声と列車の音」をサンプリングし、「生で演奏される弦楽四重奏」が絡み合う作品として仕上げた。

(「人びとの声」として、当時ライヒに付き添っていた女性家庭教師や
黒人の列車の運転手、そしてホロコーストの生存者の声をもちい、「列車の音」も、
当時(30~40年代)のヨーロッパとアメリカの列車の録音を使用している。)

弦楽器は声をメロディーとしてなぞり、声を楽器へと変貌させる。

作品全体は、切れ目なく続く3つのセクションによってなっている。

1.アメリカ―戦前
2.ヨーロッパ―戦中
3.戦後

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